さて、本日もとんがったゲームを紹介していきますよ。
今回ご紹介するのは、知る人ぞ知る地雷ゲームメーカーの「ハイパースペース」、通称「超空間」による作品、
『PIN-UP』(2000年)
を紹介します。
このゲームは、1人暮らしをしている主人公のもとに美少女3人が押しかけてきて同居することになるという王道な導入から始まるのですが、
その後、家中に配置されたエロいオモチャを持って女の子の部屋を訪ね、ハードなプレイで責めまくるというなんとも強引というかややダークな展開が待っています。ラブコメチックな導入しといて、この美味しい状況でいちゃこらしないのか!? と驚きました。タイトル画面からは想像できない内容ですね。超空間ゲーが予想の範囲内に収まったことなんて一度もありませんけど。
ヒロインたちは主人公の親に言われてやってきたようで(主人公には連絡なしなので当然無許可)、いきなり同居しにやってきた理由も話したくない様子。主人公としては理由が気になって聞き出したいと考えているようですが、だからといって初手から首輪でワンワンプレイやらアナルビーズって責めすぎではないでしょうか。もうちょっと平和に話せないのか。ヒロインとの出会いからその行為に行き着くまでの感情の変化やらが描かれないので置いてけぼりを食らったような気持ちになります。
なんというか、まだ調教レベル1なのにいきなりレベル4でやるようなプレイを押し付けるような強引さに戸惑いますね。女の子がこんなのに従うのって、別に快楽が理由じゃなくて逆らったらヤベー奴だと思われているだけなのでは。キモチイイというより体力の消耗が先に来ますよこれ。職業戦乙女な某ヴァルキリーさん相手でもいきなりこんなにハードな真似はしませんもの。
まあ、ヒロインも主人公を毎度あっさり部屋に入れちゃいますし、常に下着で家の中をうろついていたりするので、というか下着姿の立ち絵しかないので(しかも表情差分がないので不安がろうが嫌がろうが笑顔)、イカれているのはお互い様なのでしょうか。主人公を部屋に入れる時の会話も「変わったオモチャがあるんだけど、一緒に遊ばない?」「うんっ、いいよーっ。」ですからね。緩すぎる。
と思っていたのですが、攻略を進めて会話を見た感じ、ヒロインたちはどうにも性癖が異常な主人公が他所で迷惑をかけないよう、性行為を受け入れるためにこの家にやってきたっぽいんですよね。
人身御供じゃないか!
そりゃ両親が離れて暮らしているわけですね。主人公が1人暮らしなのは、エロゲ的なご都合主義じゃなくて家族に嫌がられて隔離されているのでは……? うーん。闇が深いご家庭です。ヒロインが「貴方を守るためにこの家に来た」というような発言をするのも、きっとポリスメンからという意味なのでしょう。なんと哀しい決意なのか。『PIN-UP』は一種の泣きゲーに分類されるやもしれませんね。まあ、彼女らはエロシーン以外ではやたらニコニコしているので悲壮感はありませんが(何度も言うようですがそもそも立ち絵に表情差分がないから日常シーンにおいて彼女らは笑顔にしかなれない)。
しかし、オートモードもバックログもテキストスピードの変化もなく淡々とクリックを求められると話が頭に入ってこなくて大変でした。テキスト表示途中にクリックしても全文表示されないのは辛いですね。流石は超空間ゲー。システムの不親切さに定評があるだけはあります。2000年のゲームだという点を考慮してもひどい。
でも、一番ひどいと感じたのはストーリーでもシステムでもなく、家のマップなんですけどね!
このゲームでは、ヒロインとのエッチに使うエログッズを持っていないと部屋に入れてもらえず話が進まないので、事前にマップにあるいずれかの部屋から次のエッチシーンで使うグッズを持ち出す必要があります。ちなみに、追い出された時の主人公の発言が必要なアイテムのヒントになっています(例:「そういう態度取ってると、尻の穴を思いっきりいじめちゃうよ?」「なんだか急にありすを犬の様に扱いたくなってきたな」など)。
ですが、このアイテムを探しに行くマップが、家の中だというのにやったらに広いんです。
全体図がこれですよ。
ウィンチェスター・ハウスかな?
しかも移動中は歩数によって主人公の体力ゲージが減っていくので、迷っていると自宅の中で遭難してバッドエンドになるという凄い仕様になっています。ちなみに各部屋になにがあるのかは以下の通り。
- 紗菜の部屋(攻略対象
- くるみの部屋(攻略対象
- ありすの部屋(攻略対象
- ローソク
- 浣腸
- ローター
- ロープ
- 首輪
- バイブ
- 口枷
- クスコ
- 媚薬
- ローション
- ニンジン
- 乳首吸引器
- ムチ
- カミソリ
- アナルグッズ
そしてこれだけ広い移動範囲とアイテム数があるのに主人公は一度に1つしか物を持てないのが面倒臭い。何か持ち出すと、元々持っていたアイテムは自動的に元の場所へ戻しちゃうんですよね。遭難バッドエンドの危険があるのにそんな「出したものはすぐ元あった場所に戻す」的な整理整頓を心掛けなくたっていいじゃないですか。
しかもなぜ1部屋にひとつずつしか物を置かないのでしょう。同居人の女の子とニンジンが家で同じくらいのスペース使ってるってどういうことなんでしょうね。果たして、ニンジンが優遇されているのか女の子が不遇なのか……。
ゲームに関係ない部屋は省略されているのか、これだけ部屋数があるのにトイレも洗面所も風呂もリビングも、なんなら玄関もないのもちょっと気になりますね。まあ、リビングで話しているシーンや外から帰ってくるシーンもプロローグにあるので、省略されているだけなのでしょうが……。せっかくの同居生活なのに、お風呂やトイレで遭遇イベントが発生しようがないって悲しい。
というか、ヒロインが住み着いた部屋も元は別のエログッズ(あるいは棒状の野菜)が置かれていた部屋だったりして。私なら嫌ですよ、元「アナルグッズの間」に住むのなんて。「貴女の部屋は元々アナルグッズが住んでいたのよ」とか言われたら赤帽召喚しちゃうかも。
そもそもこの地図作るのも結構手間かけさせられましたよ。もう、この家広すぎません? そりゃ部屋も余るし親も息子に何も言わずに居候増やしますよ。だってこんなところで暮らしてたら、下手したら数日遭遇しないもの。合わない相手だろうと人間関係の摩擦が起こらないもの。
さて、『PIN-UP』がどういうゲームか分かっていただけたでしょうか。テキスト送りが非常に遅いのでプレイするのに時間ばかりかかってしんどいですが、気力と興味があるなら遊んでみてください。一応、「なんじゃこりゃ」と言いつつ笑えるゲームではないかと思います。
あと、今回はエッチなCGをあまり載せられなくてすみません。流石にモザイク率が高すぎてどうにもなりませんでした。ちなみに、本作のCGの色合いを変えて再利用した『奴隷-オベイ-』というゲームもあるので、よければそっちもプレイしてみてくださいね。
それでは今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。